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Art & Design: 記憶の瓦礫をいかが

www.thomasdoyle.net

記憶の瓦礫を43分の1のミニチュアスケールで採掘するトーマス・ドイルの作品。人間としての経験の儚く壊れやすい一瞬が作品ごとに抽出されている。作品の全てにわたって共通するのは不気味な静寂と、ガラス製のドームに閉じ込められたスペクタクルを目の前に観察者が幾分気がとがめながらも感じる全知全能。

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子供の頃、クリスマスといえばスノーグローブだった。ユニコーンがドームの中心にあり、ネジを巻いて振るとショパンのエチュードが流れ、細かい銀と白のシークインがユニコーンの頭上に降ってくるスノーグローブが一番のお気に入りであった。よく憂いの抽象どされる、どこか悲しげなユニコーンにマイナーキーのエチュードを思い返せば、昔から幸せの一時を描いたものより、痛ましく「時機を失した」出来事を永遠化させたスノーグーローブのほうに興味があっただろうか。まあ、子供だからそんなこと考えてなかったけれど。

アーティストであるトーマス・ドイルの作品をスノーグローブと結び付けるのは失礼かもしれないが、初めて見たときに記憶の奥底から蘇ってきたのはやはりユニコーンのスノーグローブを誤って割ってしまったときの悲劇だったのだ。

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ミニチュアスケールで記憶を発掘する、という思想がとても気に入っている。チラッと見るだけでは気付かないスペクタクルがドームの中の小さな宇宙で繰り広げられており、観察すればするほどドキッとする出来事(アラン・バディウ的な意味の「出来事」でもいいかも)がわずか一瞬に、あまりにも小さな球体に縮小されているのだ。物理的には小さくとも本質的には大変な悲劇を思いがけない場所に収めてしまうブラックユーモア的な遊び心さえ感じる。

ミシガン出身、現在ニューヨークベースのドイル。ブルックリン、マンハッタンでギャラリーショーがたまにあるようだ。ごく最近では11月8日に発行されたニューヨークタイムズ週刊ブックレビューのカバーアートを手がけている。

このクリスマス、記憶の瓦礫の小さな破片をドームに閉じ込めたドイルの作品が欲しい。

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昨夜、またフィルを見た。しかも一晩のうちに何回も。

ストーブから出てきて、ストーブの中に消えていった。へえーストーブの中に住めるもんなんだ、なんて感心しちゃったり。

やがて彼が帰ってくると、またフィルが登場する。「ちょっと!フィルだよ、フィル!」と私がひそひそ声で言うと、「えっ、どこどこ!」と飛び上がってくれるのだが、その頃にはもうどこにも見当たらない賢いフィル。最近フィルのことで頭が一杯の私ばかり見つけてしまうのは、やはり考えてばかりいるからだろうか。

フィル、少し痩せていた。大丈夫かな。なんて心配してしまう。

「痩せてたならおなかが空いて、ピーナッツバターが食べたくなって捕まるんじゃない」と彼。平気で同じストーブとキチネットのカウンターでミルクコーヒーを作ったりしてる。

ホントウに捕まるのかな。不安。
by girlfrombackthen | 2009-11-29 02:47 | The Aesthetic
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