Sweet Tooth: イーストヴィレッジの「エコ」な隠れ店舗

フラットアイロン、18th Street にあるブランチ・カフェで人気を集める City Bakery。二年前にまだウェストヴィレッジに住んでいた時代、City Bakery の有名なホット・ココアのためにわざわざフラットアイロンまで寒い中足を運んだ。そう、今日のような寒い日に、鮮やかなブルーの紙コップからココアを啜りながら、友達とお喋りをしている間、マンハッタンの反対側のイーストヴィレッジではある名も無いお店が、誰にも知られずに開こうとしていた。

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窓や店頭には看板もサインも何もなかった。14th Street & First Ave. の小さな店頭には、下手するとマフィンよりも大きなでこぼこしたクッキーが並ぶ。定番のチョコレートチップからオートミール・レーズン、しょうがと糖蜜のクッキー、胡桃と蜂蜜のパフペーストリー、グラノーラがたっぷり乗ったブルーベリーとサワークリームのコーヒーケーキ。きちんと積みあげられたお菓子は、どれも脳細胞を酷使する学生にとってよだれもの。「これって…City Bakery のクッキーに凄く似てない?」と近くの Stuyvesant Town に住む友達Mちゃんからの鋭い指摘。確かに似ている。「変だねー」と言いながら、しばらくこの名無しのお店のことを忘れていた。

すると一週間前、Mちゃんと1番街をうろうろしていたら例のお店が目に留まった。閉店近い夜の10時。小さなジャックラッスルテリアを散歩していた中年男性が、お店の外からBlack-bottom Cake (チョコレートチップ入りフォンダンショコラの上にチーズケーキが乗っている、というアメリカ人らしい罪深く素晴らしい発想)を凝視している。Mちゃんに興味深々な愛犬(私は歩き煙草なのであまり犬に好かれない)のことを語り始めるので、このお店のことを聞いてみたら、City Bakery の「隠れ店舗」だとか。名無しのクッキーショップの開店は、いたずら好きなCity Bakeryオウナー Maurin Rubin 氏によるサイレント・オープンだったそうだ。以来、Birdbath というコードネーム(?)で知られていて、ウィンドーにも「バードバス」(小鳥の水浴び場)とちゃんと書かれている。

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チープ・シックで壮大なフラットアイロンのお店に比べて、暖かい照明と木枠の壁で極めてシンプルな、ちんまりとした隠れ店舗 Birdbath。「エコ」がテーマのこのお店、ウェブサイトのその名前も BuildAGreenBakery.com。建設資材をそのまま使っているのが、「グリーンリビング」とか。なんだか気取った企画かもしれないけれど、お菓子は期待を裏切らない絶妙な味。

10分したら閉まっちゃうから、用事は後回しにしてとりあえずお菓子を買おう!とMちゃん。よし、そうしよう!と煙草を急いで踏み消す。お店に入ると、MUJIで働いていそうなエコな感じのお兄さんが退屈そうにコーヒーメーカーをじっとみつめている。ブルーベリーとサワークリームのコーヒーケーキ、蜂蜜の入ったペーストリー、チョコレートチップクッキーの三点に決める(食べすぎ)。すると、店を閉じちゃうと残ったお菓子は全部捨てなきゃいけないらしいので、犬を散歩していたおじさんが欲しそうにしていた Black-bottom Cake をおまけしてくれた、優しい店員さん。仲良く分けて食べるんだよー、と見送ってくれた。

その後、Mちゃんの家で行われた勉強会で、コーヒーケーキを牛乳と一緒に楽しんだ。クッキーは温めて食べるものだと言い張るMちゃん、クッキーをトースターに入れている。しばらくすると台所からもくもく煙が出てくるので、なんだなんだと彼女のルームメートがのぞきに来たと思うと、なんとトースターに火がついているではないか。トースターの中で何が起こったかわからないけど、焼き焦げになってしまったバードバスのクッキー。なんともみすぼらしい姿。翌日、お店に行って同じお兄さんがいたので、焼けてしまったクッキーのことを話したら、笑いながら新しいクッキーをサービスしてくれた...とMちゃんが自慢げに話していた。トースターはもう使い物にならないらしい。全然エコじゃないですね(笑)

隠れ店舗バードバスに、是非一度行ってみてください。引火性の高いクッキーに注意。
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by girlfrombackthen | 2009-03-04 16:46 | The Gourmand
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